転職市場に技術者に求められる「ソフトスキル」(コミュニケーションスキル編)

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転職市場で技術者に求められる「ソフトスキル」(コミュニケーションスキル編)

Gonです。

転職市場で技術者に求められるもの。

今の技術者や研究者は、かつてのように専門知識だけを持ち、ただ黙々と技術開発さえしていればよいというわけにはいきません。今回は、技術者や研究者に求められるソフトスキルについてお伝えしたいと思います。実際、転職面接でも説明力・プレゼンテーション能力を問う「プレゼン面接」が行われるケースがありますので、プレゼン面接で見られるポイントについてもお伝えします。

ソフトスキルとは

ソフトスキルとは一体何でしょうか。ソフトスキルについて定義を確認します。

「ソフトスキル」とは、コミュニケーション、語学力、リーダーシップ、ファシリテーションなどのスキルを指す。これまで日本では、ロジカルシンキング、マーケティングなどの「ハードスキル」が注目を浴びてきたが、今後10年は「ソフトスキル」の重要性が増してくる

(出典:東洋経済

まさに、コミュニケーション・語学力・リーダーシップ・ファシリテーションなどがソフトスキルとなります。今、注目を浴びているのが、これらソフトスキルです。最後のファシリテーションとは、グループによる活動(会議やミーティングなど)が円滑に進むように支援するスキルのことを指します。

今回は、コミュニケーションスキルに注目し、なかでも技術者にとって不可欠な説明力・プレゼンテーション能力についてお伝えしたいと思います。冒頭でもお伝えしたように、技術者は技術だけをしていればいい、説明やプレゼンについては営業が行うような時代ではありません。今はそれで良くても、これから目まぐるしく変わっていくであろうビジネス環境のなかでは生き残れない可能性もあります。


説明力・プレゼン力が求められる理由

今の技術者に何故、説明力やプレゼン力が求められるかについてお伝えします。

セールスエンジニア(技術営業やフィールドアプリケーションスペシャリスト)のように製造メーカーに在籍し、顧客企業のサイトへ向かい、直接お客様を指導したり、営業と同行して技術的な対応をする職種がありますが、これらの職種においては説明力やプレゼン力が必要であることが容易に想像できます。私も過去に経験がありますが、対人スキルが必要な職種だと思います。

技術の進歩により、現代ではセールスエンジニアのような職種の需要が高まっているように感じます。技術者の働き方を考えるなかでは、研究所や工場の現場に立って手を動かす仕事がしたい人も多いとは思いますが、人と話すことが好きであったり、外回りがメインでも耐えられる人にセールスエンジニアは向いていると思います。


理由①:技術者が直接説明すればいい

私も3か月という短い期間でしたがセールスエンジニアを経験しました。実際、お客様からの声というのは一部を除いて、多くは技術的な問い合わせです。営業担当がそれを受けても、現場を知らないこともあり、正確に答えられない場面というのは意外と多いです。営業担当が一度、質問を持ち帰り、社内で技術者に聞くよりかは、直接技術者がお客様を相手にやり取りした方が早く、効率的です。

技術の進歩により、高度かつ複雑であればあるほど、上っ面だけの知識を持った人よりかは実際に製品開発へ携わった人や、深い専門知識を持った人が積極的に矢面に立っていた方がいいと考える企業が増えてきたように感じます


理由②:営業部員の省力化

上記でお伝えしたように、技術者に説明力やプレゼン力があれば技術に関しては任せてしまえばよく、営業部員は別の仕事に集中できます。また、技術者を面談に同行させることで、営業部員が社内で技術者から訓練を受けることも不要になり、教育コストも削減できます。営業部員の人数も少なくて済むかもしれませんし、教育にかかる時間的コストも減らすことが出来て、固定費を減らしたい企業にとっては嬉しい限りです。


理由③:アウトソーシング・オープンイノベーションの活発化

説明力やプレゼン力を持った技術者の活躍場所はお客様の前だけではありません。

技術の進歩や一部業界では成熟化に伴い、企業も商品の開発から生産、さらには販売までを自社で一手に行うことも減ってきました。このことを垂直統合と呼びますが、現在は外部の企業に委託して行う水平分業をビジネスモデルに掲げる企業も増えています。特に、製薬業界はまさに水平分業化が進んだ業界です。

もう一つが、オープンイノベーションです。従来のように研究開発においても自社の知識・ノウハウ・リソースで足りない時代になってきたと感じます。業界内で別々の企業が共同研究するケースもありますし、全く畑違いの企業同士が共同で何かをするケースもあります。

アウトソーシングやオープンイノベーションのような場面においては、専門性の高い技術者でなければ、自分たちの意思が正確に相手の企業に伝えられない可能性があります。製造を委託しても、製造を知らない人が依頼するのと、製造を知っている技術者が依頼するのとでは伝え方も違いますし、間違った方向でプロジェクトが進行していても、技術者がいれば気づくことができます。そこで求められるのが説明力・プレゼン力のようなスキルになります。


理由④:学会発表やセミナー講師

大学や企業など多くの技術者・研究者が注目する学会での発表や、専門性の高い教育が受けられるセミナーでの講師など、説明力やプレゼン力が高ければ、会社以外でも活躍する場所が増えていきます。

先日、私も出張でニッチ分野の技術セミナーへ参加しましたが、そこで発表されていたとある企業の技術者の方のプレゼンテーションが上手で、大いに参考になりました。プレゼンテーションでは、聞き手の注意を集めなければなりません。表現力であったり、構成力であったり、人の興味を惹きつける資料の作成であったり、様々な要素が絡んでプレゼンテーションが成り立っています。私自身も、いつか大勢の人の前に立ってプレゼンテーションがしてみたくなりました。

多くの人が注目する学会やセミナーで発表したり、講師を務めると、会社の宣伝にもなりますし、話す内容によっては技術力や信頼を示すことができます。企業からしたら大きなメリットに感じます。


理由⑤:日常的な報告・連絡・相談でも

社会人にとって、報告・連絡・相談(ほう・れん・そう)は重要です。例えば、上司へ報告する時も、見方を変えれば一種のショートプレゼンテーションとも言えます。

プレゼンテーションでは、論理的かつ簡潔な説明が求められます。同じように報告や連絡、相談においても求められるものです。従って、日常的な業務においても、説明力やプレゼン力は求められ、これらのスキルは高いに越したことはありません。

説明力・プレゼン力を高めるために

では、説明力やプレゼン力は高めるには、具体的に何をすればいいのでしょうか。

まず、説明力やプレゼン力と学歴は関係ないと思います。学歴が高いければ、プレゼン力が高いとはなりません。技術者は高学歴(出身大学ではなく、修士や博士の学位を持っているなど)が多いですが、プレゼン力は人によります。一つは経験をどれだけ積めたかどうかです。誰もが大勢の前でプレゼンテーションする機会が得られるわけではないので、日常の業務で説明力やプレゼン力を意識することは重要であると考えます。普段から意識を持つことで、スキルを伸ばしていけると思います。

特に新入社員や若手社員は、これらのスキルを高めるために職場の上司や先輩を真似をすることはやめましょう。上司や先輩のプレゼンも自己流である可能性が高く、悪い癖が移るかもしれません。プレゼン力や説明力は、年齢や経験を重ねれば身に付くものではないので、どれだけ場数を踏んだか、そしてフィードバックを得て、良くするためにどのような改善行動を取ったかではないかと思います。

以降、お伝えするポイントは「プレゼン面接」でも使えるテクニックだと思いますので、これからプレゼン面接を控えた人にも読んでもられば幸いです。

ポイント1:早口にならない

早口になっていては、正確に自分が発する言葉を伝えることができません。人前に立つと緊張して早口になるのであれば、あらかじめゆっくり話す練習をしましょう。

ポイント2:大きな声でハキハキと

小さな声でぼそぼそっと話していては、人に伝わりません。プレゼンは相手がいて、相手の気持ちになって考えることに始まると思います。相手に自分の声が聞こえないようでは、プレゼンではなく、独り言です。また、滑舌が悪い人ほど、ゆっくりと話すことを心がけましょう。プレゼン中は、基本的には一方通行です。誤解を与えたら、その誤解のまま最後まで流れていく怖さがあります。

ポイント3:資料作りもほどほどに

手が込んでいる資料を使えばいいプレゼンが出来るわけではありません。パワーポイントを使えることは大事なスキルですが、誰もがわかる平易な言葉で相手に伝えることに時間を使うことの方が建設的だと思います。

ポイント4:論理的に話す

技術者の頭のなかは、理路整然とできています。論理的に物事を捉えることは容易いかもしれませんが、それ言葉としてアウトプットするとなると別問題です。「頭では分かっているけれども」と言われても、プレゼンの場面では伝わりません。

ポイント5:自分の当たり前が相手の当たり前と思わない

プレゼンは、相手がいて成立します。自分が当たり前だと分かっていることも、相手は知らないかもしれません。その場合には、軽く補足して説明したり、その場の空気を読んでアドリブを加えるなどしていくといいでしょう。また、抽象的な言葉ほど、相手に伝わらない特徴があります。「多い」、「少ない」という言葉でも、それぞれの価値観が異なるわけでプレゼンターが自分の価値観だけで話を進めてしまうことは危険だと思います。

専門用語や略語を多用しないことも大切です。相手が自分の話についてきているかどうか、その空気を察する力も求められると思います。


まとめ

いかがでしたか。

技術者・研究者に求められる「ソフトスキル」のなかでもコミュニケーションに絞り、説明力やプレゼン力についてお伝えしました。

基本的に技術者が勤める職場はというと、社外の人との交流は少なく、閉鎖的ではないかと思います。気心が知れた同僚のなかでも、説明力やプレゼン力は鍛えることができると思いますが、説明力やプレゼン力について鍛えようと「意識を持つこと」が何よりも重要ではないかと思います

また、説明力やプレゼン力は、ある程度体系化された技術としてあるので、資金と時間に余裕があれば、外部の自己啓発セミナーや通信教育などを活用するのも手だと思います。

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Gon
キャリアクエスト運営責任者。 20代のうちに転職を3回経験し、現在4社目。自身がキャリアに悩み、転職を繰り返した経験をベースに、同じようにキャリアへ悩む20代、30代に向けてキャリア開発支援、転職支援を行いたいと考えている。

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