現役転職エージェントが教えてくれた「年収交渉で困らないための極意」とは

年収交渉

現役転職エージェントが教えてくれた「年収交渉で困らないための極意」とは

Gonです。

「年収を上げたい」、これは働く者として誰もが同じように考えると思います。

年収を上げる方法は、幾つもあります。例えば、「平社員から係長へ」、「係長から課長へ」というように役職が付いたり、役職が上がるなと「昇格」時、つまり出世する時に年収は上がります。また、出世がなくても正社員であれば定期的に「昇給」を受けることがありますから、年齢や経験年数に応じて少しずつ年収は上がっていきます。

それでも、手っ取り早く年収を上げたいと思うならば「会社を移る」ことも選択肢として含めなければなりません。

「転職」も年収を上げる一つの方法です。転職で年収を上げようとする時、求職者が避けては通れない「年収交渉」というシーンがありますが、企業から提示された雇用条件に納得できるのであれば、年収交渉を行う必要はありません。すぐに内定を承諾して、早いうちに入社準備や退職交渉へ移っていきます。しかし、どうしても納得いかず「年収を上げて欲しい」と望むのであれば、内定先企業と年収交渉を行わなければなりません

今回は、過去に私が内定先企業と年収交渉を行う前に、プライベートで交流のあった転職エージェント勤務の知人から伺ったことを、「年収交渉で困らないための極意」としてざっくばらんに紹介したいと思います。

内定の受領から承諾までのプロセス

まず、内定を受領してから承諾までのプロセスについて振り返っておきます。

企業から最終面接に合格し、内定が通知されると同時に「労働条件通知書」「入社承諾書」が送られてきます。

ここでは、よりイメージを持たせるために実際に私が受け取った文面を紹介したいと思います。

 

1. 労働条件通知書の確認

この労働条件通知書というのは実は法律要件となります労働条件通知書については、労働基準法第15条で明記されています。

(労働条件の明示)

第15条
1. 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない
2. 前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。
3. 前項の場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から十四日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。

(出典:wikipedia

企業が人を採用する時には、事前に厚生労働大臣の承認が取れた方法で労働者に雇用条件を明示する必要があります。

明示される雇用条件とは、具体的にどのような内容であるかというと、以下の通りです。

1.労働契約の期間に関する事項
2.就業場所および従事すべき業務に関する事項
3.始業、終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇ならびに交替勤務について
4.賃金の決定、計算、支払いの方法、締め切り、支払いの時期について(ただし、賞与・退職金については除く)
5.退職(解雇含む)に関する事項
6.期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項(更新の有無、契約更新の判断基準)

求職者が入社意思を固めるうえで必要な判断材料はこれらの条件通知書の書面に記載されます。従って、内定を受けた時には必ず「労働条件通知書」を隅々まで確認します

今回のテーマは「年収交渉」なので、上記の4が該当します。

 

2:入社承諾書(内定承諾書)の署名・捺印

一方、入社承諾書は私が受け取った文面(上記)にもあるように、署名・捺印は必要ですが、労働条件通知書とは異なり、法的要件ではないため、拘束力はありません

入社承諾書の位置づけとしては、労働条件通知書を見て「入社を決意します」、「内定を承諾します」という意思を企業側に伝える書面ということです。

 

3:内定の承諾

労働条件通知書に納得が出来たならば、入社承諾書に署名・捺印します。企業側が入社承諾書を受け取った時、そこで初めて内定を承諾したとして扱われます。

内定を承諾したならば、先に明示された労働条件通知書へ納得したこととなり、入社後に労働条件に不満があったとしても企業側に異議を申し立てることはできません。

労働条件に不満があるうちは内定を承諾してはいけません。必ず不満を解消したうえで、内定を承諾しておかないと後悔することになります。しかし、完全に不満を残さずということは難しいため、時には妥協も必要です。妥協するにしても、許容できるレベルであるかどうかは重要な判断です。

ここで、年収に納得できないのであれば、「年収交渉」を行うことになります。労働条件通知書の項目4について、企業側へ再考を依頼する行為が年収交渉です。

 

 

年収交渉で困らないための極意

年収交渉で困る時というのは、基本的に自分自身で企業側と年収交渉を行う時だと考えます。それは、転職サイト(リクナビNEXTなど)やハローワークを介して転職先を見つけた場合です。転職では、転職エージェントのサービスを利用する人も多いため、転職エージェントを介した転職では、年収交渉は自分で行う必要はなく、転職エージェントのアドバイザーが代理人として行います。

転職エージェントについては、下記の記事で詳しく説明しています。

関連:孤独な転職活動の強い味方!転職エージェントへ登録して理想のキャリアをみつける

結論としては、年収交渉はなるべく自力で行わず、年収交渉のプロフェッショナルである転職エージェントのアドバイザーに任せることで成功率は高まると考えます。それでも、転職する全ての人が転職エージェントを利用するわけではないので、自力で年収交渉を行わなければならない状況になったならば、今回ご紹介する「年収交渉で困らないための極意」が役に立つと思います。

①:基本は現年収や現月収との比較

いくら年収を上げて欲しいと願っても、企業側にも簡単には上げられない事情があります。

基本的には、年収は現年収に基づき、年齢や経験に応じて各企業の給与テーブルに当てはめられて決定します。企業によっては、他の社員とのバランスを見て判断し、特別扱いや不公平とならないように配慮することも考えられます。

提示された年収が低いと感じたならば、まずは「現年収」と「現月収」との比較で企業側へ話を進めます。何故かというと、現在の年収というのは在籍する企業で判断されたある意味「適性年収」ということです。

自分のスキル・能力・業務成績・業務態度などから勘案し、決められたものです。転職で新たに提示された年収が現在の年収より低いとなれば「適性年収」より低いとなり、「もう少し上げられないか?」と話もしやすいです。

現在の年収でなくても、過去に受け取っていた最高年収を根拠に話を進めることもできます。転職回数が多いと、1社目と2社目では年収ダウン、2社目から3社目への転職では2社目の年収をベースに話を進めることもできますが、過去にさらに高い年収を受けていたならば、その当時の年収を持ち出してもいいです。

逆に言えば、現年収よりも高い金額を望む時は大変です。適性年収よりも高いスキルや能力があることを示さなければなりません。

そもそもですが、年収は仮に上がったとしても平均的に現在の年収の5~10%と言われます。100万円以上の年収アップもあり得ますが、業界自体が伸び盛りであったり、その企業が成長著しかったりと、経営環境が明るい場合が該当します。また、これまでの企業で能力等が過小に評価されていた場合なども含まれます。

 

②:生活環境の変化

転職により大きく生活環境が変わることも有効です

例えば、住宅に関する費用ですが、田舎から都心に移ることで家賃が上がってしまい、現在と同じ月収では現在と同じ生活水準を保つことが難しいかもしれないという不安を正直に話してみます。

具体的に試算するなどし、転職前と比較して転職後はこのように変わるという論理で進めるとよいかと思います。企業側も鬼ではないので、そのような事情であれば再検討もしてくれます。私自身も「年収を上げてもらう」ために使った手の一つです。以下に、当時の私の年収交渉体験記を掲載していますので、気になる方は是非読んでみて下さい。この記事にも年収アップのヒントが散りばめられています。

関連:【エージェントを使わずに転職を決めた人へ】実例70万円アップ!誰も教えてくれない年収交渉のコツ

 

③:エージェントを通じて交渉する

よく野球選手が所属する球団と契約更改する場合、代理人を立てることがあると思います。これは交渉の場に本人が出てしまうと、球団に言いづらいことが言えないまま交渉が終わってしまったり、強気に攻めて交渉しすぎた時にシーズン開始後の期待値が上がりすぎてしまうことを防ぐためだと考えられます。

これは転職においても同じです。

年収は生活に直に関わるものなので、本来であれば重要視されるべき項目ですが、人はついついお金が絡むと言いたいことも言えなくなることもあると思います。

冒頭でもお伝えしたように転職エージェントを介して転職先を決めたならば、企業側との交渉力に長けた転職エージェントのアドバイザーがその代理人となって、代わりに年収交渉を行います。代理人であるため、言いづらいことも言ってくれるし、そもそもプロフェッショナルであるため、自分が直接行うよりよい成果が得やすいと思います。

繰り返しになりますが、これが使えるのも転職エージェント経由で企業へ応募して内定した時のみです。厄介な年収交渉を自分で行う必要がなくなることも、転職エージェントを利用するメリットの一つになります。

 

④:交渉スキルを使う

普段、営業職等で交渉の現場で活躍されている方には有効です。

何故ならば、転職活動というのは言い換えれば「”自分”という商品をいかに企業に高く買ってもらうか」ということに尽きます。

自分という商品の魅力や特長を整理して、企業にもう一度売り込んでみれば、企業からも「金額はもう一度検討してみます」と返答を受けるかもしれません。

あと、自分で交渉する際ですが、交渉する相手も考えなければなりません。基本的に内定後の窓口となるのは人事系の社員となります。従って、人事系の社員に自分のスキルを売り込んだとしても、そこで大きく評価が上がるとは思えませんし、伝言ゲームとなって人事権を持つ役員に伝えられるだけです。

交渉する相手を間違えてしまうと、細かなニュアンスが伝わらず、伝えたい100%のことが伝わりません。もしも、自分で交渉するならば人事権を持つ役員クラスを相手にします。多忙のため断られることもあるでしょうが、メールでのやり取りができないかと人事側に申し出てみます。

 

⑤:割り切る

初任給が一生続くわけではありません。

労働条件通知書で示される金額というのは、その企業の初任給、初年度の年収です。入社後には、定期的な昇給もありますし、スキル・能力を存分に発揮し、実力次第では昇進・昇格していき、年収もぐーんと上がるかもしれません。

そのためにも、入社前にその企業の昇給率や昇給に関する規定を確認しておくといいでしょう。年収比較サイト等で平均年収を調べてみたり、四季報等で昇給率を調べてみたり、方法は様々です。昇給テーブルや昇給のしやすさというのは、その企業ごと決められているので一般論でこうであるとは言いにくいものです。もしも割り切るならば、その企業の昇給について事前に把握することが重要です。

また、転職というのは、初めは評価ゼロからのスタートとなるため、年収が落ちることは珍しくありません。特に、現職が大手企業で月収、賞与、時間外手当も受け取っていた方が、中堅や中小へ移ればそれは下がるのも当たり前のように思えます。

個々の状況によるため、一般化することが非常に難しいですが、「最初の年収」にこだわるのではなく、長期的な視点で考えることも大切だと思います

 

まとめ

いかがでしたか。

現役転職エージェントが教えてくれた「年収交渉で困らないための極意」をざっくばらんにお伝えしました。

年収交渉を一度経験してみると分かりますが、いざ自分でするとなると緊張します。「これを言っていいのか?」、「これは言い過ぎか?」と幾つも手の内にあるカードを切りながら、企業側の反応を見て進めていきます。

交渉の中で企業側が渋った顔をすれば妥協することも必要です。妥協ができないようであれば、その企業の内定を辞退することも検討すべきです。妥協できないくらいの金額で、内定を受けて入社したとしても、その何年後かに年収で悩んで転職することにならないでしょうか?その心配が少しでもあるならば辞退します。

また、現職でリーダーやマネージャーとしての実務経験があることや、転職先で役職を持つなど、明らかに年収が上がってもいい状況でない限り、転職サイトを通じた応募で年収を上げようとすることは困難です。特に、日系企業は年収に関してはシビアなので、高望みはできないかもしれません。

結局、年収交渉というのは、個人の事情により様々なケースが想定されると思います。もしも年収交渉でお困りのことがあれば、コメント欄もしくはお問い合わせよりご質問ください。

 

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Gon
キャリアクエスト運営責任者。 20代のうちに転職を3回経験し、現在4社目。自身がキャリアに悩み、転職を繰り返した経験をベースに、同じようにキャリアへ悩む20代、30代に向けてキャリア開発支援、転職支援を行いたいと考えている。

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